GOODWEは2023年3月15日に東京ビッグサイトで開幕した『第16回国際太陽光発電展【春】』に出展し、多彩な製品群を披露した。なかでも注目は、負荷追従制御や遠隔出力制御などに対応した制御装置、『EzLogger 3000C』だ。
PCS(パワーコンディショナ)と連動する同装置には、データを収集する機能に加え、客先の消費電力の変動に追従してPCSの出力を最適化する負荷追従制御機能や、保護継電器と連携してPCSを停止する逆潮流防止機能のほか、電力会社からの指令に対応する遠隔出力制御機能なども搭載されている。つまり、自家消費用太陽光発電設備の導入時に必要な機能をすべて実装した装置なのだ。
連動するPCSは、同社が国内で販売する定格出力125kWの『HTシリーズ』と同33kWまたは40kWの『SMTシリーズ』だ。最大変換効率はそれぞれ98.7%、98.5%と高く、安全性や収益性を高められるストリング監視機能やアーク検出遮断機能が内蔵されている。
同社は今回、PCSと制御装置を一式まとめて提供する体制を整えた。利用者は精度の高い負荷追従制御が可能になり、自家消費用太陽光発電設備の収益向上が期待できそうだ。GOODWEジャパンのカントリーマネージャーを務める中井久人氏は、「新発売する制御装置は日本仕様の製品で、マルチメーターなどとともに一つの筐体にまとめた形でも提供する予定です」と語る。制御装置の出荷を2023年上期から始める計画だ。
自家消費ソリューション
もっとも、GOODWEは、日本市場へ参入したPCSメーカーでは後発組だが、2010年の設立以来、世界100ヵ国以上に分散型PCSを供給し、累計出荷台数は200万台以上、容量換算で52GWを超えている。住宅用や商業用といった屋根上設置案件で数多く採用されており、最近は大規模な発電事業用向けの販売も伸ばしている。
同社は20年秋に日本で現地法人を立ち上げ、アフターサポートを含む体制を整備しつつ、事業展開を本格化させた。FITによる新設需要こそ収束しているが、代わりに新たな需要が出てきたからだ。すなわち、前述の自家消費用を中心とした〝非FIT〟需要と、リパワリング(改修による出力増)を含む交換需要である。実際、同社ではリパワリングを目的としたPCSへの引き合いが旺盛なようだ。
国内でのリパワリング事例も上がっている。写真の徳島市のメガソーラーではリパワリングを目的に既存PCSを同社のPCSに置き換えた
というのも、同社のPCSは複数の定格出力電圧を設定できる。具体的には420V、440V、480Vから選べるため、高圧太陽光発電設備に設置された既存のPCSからの置き換えに対応しやすい。中井氏は、「既存のPCSの出力・電圧に合わせられるので、絶縁トランスを交換せずに当社のPCSを設置できます」と話す。
しかも、PCSのMPPT(最大電力点追従)作動電圧範囲の下限や起動電圧が低いため、太陽光パネル側の設計変更を最小限にとどめられる。このことからも、設計や施工の手間を省けるリパワリングに最適なPCSと言えるだろう。
FIT開始から10年経ち、日本市場から撤退したPCSメーカーもあるだけに、発電事業者は、メーカーの長期保証が不履行になったり、保守費が嵩んだりするリスクを抱えている。集中型の大型PCSを設置した事業者の場合は、故障時の発電損失が大きいうえ、設置後10年程で大規模な修繕が発生しかねないという問題がある。そこで分散型PCSによるリパワリングを検討する事業者が増加しているのだ。
中井氏は、「リパワリングは保守費の削減や収入の増加に繋がるだけでなく、長期安定的に発電設備を運用していくためにも重要です」としたうえで、「低圧太陽光発電設備に対応したPCSの投入も検討していくつもりです」と語る。
GOODWE JAPANチーム
同社は中国国内に4ヵ所の研究開発拠点を構え、700人の技術者を抱えるなど技術力の向上にも余念がない。最近ではPCSや蓄電設備にとどまらず、屋根材一体型太陽光パネルやEV(電気自動車)用急速充電設備も開発した。新時代に突入した日本では、見逃せない存在となりそうだ。
GoodWe Japan株式会社(グッドウィージャパン)
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